ウェブ会議のキャッチコピー
MROKRという携帯電話端末にはIが標準で搭載されており、PCからの楽曲転送が容易に行えるようになっている。
PC上では、Iを利用して1曲99セントで楽曲が購入できるサービスIMUsicStoRE(ITMS)が開始されており、Aによれば2年間で3億件のダウンロードを記録したという。
いまのところ、ROKRに対して携帯電話のネットワーク経由で楽曲を販売する動きはないが、将来的に携帯電話向けに楽曲販売が開始されても何ら不思議はない。
我が国の携帯電話市場にも、その流れは来ると考えてよい。
最新の高機能端末では、デジタルカメラ機能に加え、音楽再生機能もユーザーへの重要なアピールポイントとなりつつある。
現在は、SNカードなどの外部メモリーを利用して、PCから転送する方法が主流(内部メモリーへの保存が可能な端末もある)だが、携帯電話のネットワークを利用する動きも検討される方向にある。
そして、それが実現したとき、通信事業者主体の「着うた」との競合が発生する。
国内のインターネット音楽配信サービスは、ITMSの登場により、活性化されることが予想されている(「3.4音楽配信市場」)。
では、そのときに、外部メモリーを利用して携帯電話で楽曲を聴く、というスタイルは定着するであろうか。
また、携帯電話向けITMSのようなサービスが始まったとき、「着うたうル」のような携帯電話特化型サービスとでは、どちらが選択されるのであろうか。
当面は、これらが併存すると考えられる。
音質や携帯できる楽曲の量にこだわるユーザーは、自分でCNから取り込んだり、インターネットの音楽配信サービスを利用したりしてダウンロードした楽曲を、携帯電話へ転送して利用するであろう。
一方で、携帯電話はあくまで携帯電話と割り切ったユーザーは、いつでもすぐにダウンロードでき、料金は携帯電話料金と合算になる、「着うたうル」のようなサービスを利用すると見られる。
それぞれ、自分にとって使い勝手のよい方を利用することになるであろう。
一方、これまで「着うたうル」を提供していた携帯電話向けコンテンツ事業者にとっては、携帯電話向け音楽配信サービスの台頭は、自分たちのビジネス領域を侵食されることになる。
通信事業者にとっても、これまで課金代行で得ていた手数料収入が減少することにつながるため、単純に喜べる事態ではなくなる。
既存のモバイルコンテンツ事業者と、インターネット専業事業者との競合が、前述のフルブラウザと同様、ここでも始まる。
Aが導入した2段階の定額料金サービスである「ダブル定額」は、1000円からの定額サービスという手軽さから、着実に契約数を伸ばしている。
NNやVもパケット定額制を導入した。
定額化により、コンテンツの利用促進効果が期待され、実際にAではデータARPUの向上が見られている。
一方で、定額となる対象については、フルブラウザによるアクセスを含まなかったり、定額の上限額が変化したりする場合がある。
これは上記のユーザーの外部流出への予防線という意味合いが強い。
しかし、「フルブラウザによるアクセスも定額の対象にせよ」とのユーザーの要求は当然強い。
定額の金額設定とともに、各通信事業者の舵取りが今後のユーザーの流れを左右する。
前述の通り、2006年度中にMNPが開始される。
開始時期、運用方法、料金など、まだ未確定の部分も多いが、このMNP導入にともなって、コンテンツ事業者の整理.統合が進む可能性がある。
MNP制度では、通信事業者を変更した場合に電話番号は引き継がれるが、メールアドレスや登録コンテンツは引き継がれない。
したがって、ユーザーはMNPを利用して通信事業者を変更した場合、再度メールアドレスを設定し、コンテンツを得るためのサイトに登録する必要がある。
壁紙や「着メロ」など、エンターテインメント系のサイトでは、ユーザーが複数サイトに登録し、ほとんど利用しないまま利用料を払い続けている場合も多い。
通信事業者の移行にともない、これら「なんとなく」登録され続けていたサイトはすべて解約される。
通信事業者を変更し、初めて「着メロ」を手に入れようと思うとき、ユーザーはどのサイトからダウンロードするであろうか。
各通信事業者は、それぞれの公式コンテンツをリストアップしたポータルサイトを持っており、ユーザーはまずそこへアクセスする。
そして、カテゴリーごとに整理されたリンク先のうち、1番先頭に表示されるサイトをまず閲覧するだろう。
そしてこのリストは、アクセス数や登録者数の多い順に並べられている。
つまり、現在人気のあるサイトほどMNPで移行してきたユーザーに発見されやすいのである。
その結果、上位サイトへのユーザーの集中が起こることになる。
ユーザーの移動はキャリア間で相互に発生するため、入会が下位のサイトではMNPによりユーザーが離脱するが、加入がほとんど発生しない、という状況が生じることが想定される。
このため、ユーザー数の減少により、運営に支障が生じるコンテンツ事業者も発生すると考えられる。
この2つの動きは、これまでプラットフォーム事業に注力し、コンテンツ領域へは足を踏み入れなかったNの戦略転換にも見える。
しかし、これらの提携もやはりプラットフォーム事業者としての戦略の一環ととらえるべきであろう。
たしかに、クレジットカードサービスの展開は金融事業への進出であり、楽天との提携はオークション事業への進出である。
しかし、この両者とも、「決済プラットフォームの実世界への拡張」と、「モバイルオークションプラットフォームの構築」と読み取ることが可能である。
クレジットカード事業でのNNの収益は、決済手数料とプラットフォーム利用料としての加盟店手数料であり、オークション事業での収益は、オークション出品時(オークションプラットフォーム利用時)の出品手数料と、回収代行をするのであれば、その際の手数料ということになる。
いずれの事業においても、Nの収益モデルとして、プラットフォーム利用料と決済手数料というカテゴリーは変わらない。
異なるのは、それらのプラットフォームのカバーする範囲が、携帯電話のネットワークにとどまらず、実世界にも広がっていくという点である。
【A】一方で、Aはコンテンツ領域の拡充を進め、一部では自社でのコンテンツ販売も開始している。
FMラジオやテレビ受信機能を持つ端末のリリースと同時に、専用のポータルサイト「EzFM」、「Ezテレビ」を立ち上げ、FMラジオやテレビ放送と連動したコンテンツ販売を行っている。
販売するコンテンツはコンテンツ事業者が提供する「着メロ」や「着うたうル」だけでなく、CNやNVNの通信販売も扱っており、その部分をA自身が「ARECoRNs」として提供している。
Aは携帯電話向けコンテンツについて、プラットフォーム事業者としての立場も維持しつつ、コンテンツの販売チャネルを拡大していくことで、新たな収益源を獲得しようとしていることがうかがえる。
コンテンッ事業者も、料金定額化やフルブラウザの台頭を受け、ビジネスモデルの転換を図っている。
インデックスは、M&Aの活用により海外のコンテンツ事業者の買収合併を進めている。
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